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ひょっとして今、バブルが再来してるんじゃないか?

港区の土地よりも割安?

昨夜、BSテレ東のワールドビジネスサテライトを見ていたら、都心の不動産がバブル期以来の高騰を見せているという特集と、仮装現実上の土地がいま投資対象として物色されているという特集が出てきました。

 

コインチェックの執行役員氏は、The Sandboxというメタバース上に立地する土地売買を紹介しており、一年前は最も小さい区画が数万円程度で買えていたのが、いまは150万円前後の値段で取引されているとし、「東京都港区と比べるとまだ割安」と語っていました。

私が大変興味深いと思ったのが、この執行役員氏が「リアル土地」と「仮想空間上の土地」を同列に扱っているところです。どうせ転売するのなら別にそこに「実体」が存在している必要はないということなのでしょう。私はこれを見ていて、「これって21世紀版のポトラッチ交換じゃないか?」とふと思いましたが、最近その界隈の本を読んでいないので、もう一度カール・ポランニーあたりから勉強し直さないといけないです。

「仮想空間上の土地」が現在高騰しているという話はすでにいくつかの媒体が記事にしています。

 

Cnetが今年4月に発信した翻訳記事「人はなぜメタバースの土地に大金を投じるのか?」はもう少し詳しい現場事情を説明しています。

メタバースの熱烈な支持者たちは仮想世界の未来を確信している。しかし現在の取引スピードは、仮想資産に対する関心の持続可能性に疑念を抱かせるものだ。多くの投資家が短期間で売買を繰り返している現状では、仮想世界に長期的にかかわる意思があるのかどうかを見極めることは難しい。

 

カモは自分がカモられていることに気づかない

土地価格が値上がりしているのは仮想空間の中だけではありません。日本でも昨年、都心部のマンション価格が30年前のバブル期以来の高値を更新したとして一部で話題になっています。その需要を押し上げる駆動力になっているのが、夫婦二馬力で1500万円前後の年収を稼ぐ“パワーカップル“とのこと。

しかし、彼らがどういう狙いでそんな「馬鹿げた」価格のマンションを購入しているのかといえば、「将来の資産価値を見越して」というのです。実際、数年前に購入した都心部の分譲マンションをいま売りに出すと、原価を回収できるだけでなく数千万円の利ザヤを稼げる状態といいます。

しかし、そんな上手い話が十年二十年と続くはずがないのです。ただでさえ人口減少の日本社会、必ずどこかで不動産バブルは弾け、どんなに値段を安くしても誰からも見向きされない時代が否応なしにやってきます。にもかかわらず「30年ローンで購入しました」と顔をほころばせているテレビ画面上の新婚夫婦が少し気の毒になりました。

とはいえ、この異形の不動産バブルが示しているのは、日本がいままさに「経済バブル」に再び移行しているのではないかという疑いです。広末涼子主演の「バブルへGo タイムマシンはドラム式」というおバカ映画がありましたね、そういえば。

日本が1980年代からバブル経済になった原因とそのあっけない終焉、そして数十年続く停滞については、これまでさまざまな角度から分析がなされています。サブプライムショックとリーマンショック時にFRB議長として指揮をとったベン・バーナンキも、経済学者として日本のバブル経済の破綻過程を非常によく研究しており、その成果を米国バブルの後始末に役立てました。

2022年の今、政府日銀は人為的に30年前のバブルを発生させようとしているように見えます。主要先進国がインフレ対策として政策金利を引き上げ、量的緩和を終了させ量的引き締めに移行しようかという中、日銀はゼロ金利政策をかたくなに維持し、長期国債の無制限買い入れを実行すると表明しています。黒田総裁をはじめとする日銀首脳部は諭吉万札を印刷してヘリマネしても、必ずインフレを十分制御できる自信があるようですが、その見立ては甘いのではないでしょうか。人間の欲望は机上の空論では理解できないものなのですよ。

今年の夏頃には、企業努力ではもはや吸収しきれなくなった原材料費の高騰とその価格転嫁が消費者の立ち位置に落ちてくるでしょう。持ては貨幣を土地や時計、宝飾品などモノに換え、それを次々と転売することで利ザヤを得ることができます。資産家はこのインフレの局面を余裕で乗り切ることができますが、持たざる者はひたすら生活費を切り詰め目を閉じ耳を塞いで生きていくしかなくなるのです。それは努力の結果なのだから貧富の格差が開いてもいい、格差は甘んじて享受するというのならそれでも構いませんが、岸田首相を支持している多くの有権者の思いはそれとは正反対のところにあるように思われます。

今回の記事で何がいいたいのかというと、日銀はいまコストプッシュインフレの波に乗って、人為的に経済バブルを引き起こそうとしている、そのカネの流れを30歳前後のパワーカップル(遊び盛りの青年時代にバブルを謳歌した世代の子どもたち)が回転させている、しかし今度のバブルも結局はディマンドプル(需要が牽引)ではないから早晩破綻するよ、ということです。

 

次の日銀総裁が来年決まります。総裁としての最初の仕事はおそらく、金利の正常化(政策金利の引き上げ)、量的緩和の終了(長期国債の無制限買い入れ終了)、そして通貨防衛でしょう。そのときに10年続いた「アベノミクス」の終焉が誰の目にも明らかになり、一気にバブルが弾けると思います。いま不動産業者や仮想空間の土地を取り扱っている業者が盛んに購入を煽っているのは、今回のバブルが短命であと一年も持たないことを彼らなりに感じ取っているからだと私は見ています。

 

バブルの狂騒の中、道化師と一緒にダンスを踊るのか、不思議そうな顔をして遠巻きに眺めるのか。投資家はいま選択を迫られています。

 


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